7級|注文の仕組みと相場の「型」を知る

🎯 この級で得られること

  • 「買い」と「売り」を、先物ならではの視点で理解できる
  • 成行・指値・逆指値など、注文方法の種類と使い方を学べる
  • 相場が「トレンド」か「レンジ」かを見分けられるようになる
  • 「押し目買い」「戻り売り」といった基本的な取引戦略の意味と使い方を理解できる

第1章|注文とは?──「買い」「売り」と建玉の考え方

日経225先物では、価格が上がると思えば「買い」から、下がると思えば「売り」から取引を始めることができます。
これは、株式投資ではあまり見られない、先物ならではの特徴です。


📈 買いから入る=ロングポジション

価格が上がると予想したときは、「買い」から取引を始めます。
安い時に買って、高くなったら売ることで利益を出す方法です。

  • 例)30,000円で買って、32,000円で売れば、2,000円の利益

このように「買い」を持っている状態のことを、ロングポジションと呼びます。

💡「ロング」という言葉は、「長く保有する」「将来上がることを期待して待つ」といった意味合いがあります。


📉 売りから入る=ショートポジション

価格が下がると予想したときは、「売り」から入ることもできます。
高い時に売っておき、安くなったところで買い戻すことで利益が出ます。

  • 例)30,000円で売って、28,000円で買い戻せば、2,000円の利益

このように「売り」を持っている状態は、ショートポジションと呼ばれます。

💡「ショート」は、「短期的な取引」「すぐに買い戻すことを前提とした動き」を意味する言葉です。


🧾 建玉(たてぎょく)とは?

注文が成立し、ポジションを保有している状態を「建玉(たてぎょく)」と呼びます。

  • 買い建玉(ロング)
  • 売り建玉(ショート)

いずれも、まだ決済していない=ポジションを持っている状態のことを指します。


第2章:注文方法とその使い分け

取引を始めるには、どの価格で、どんな条件で注文を出すかを決める必要があります。
これを「注文方法」と呼びます。

主な注文方法には、以下のような種類があります。

注文方法特徴こんなときに使う
成行注文今の価格で即座に注文を出すとにかく早く取引したいとき
指値注文指定した価格になったら注文を出す有利な価格まで待ちたいとき
逆指値注文特定の価格を超えたら注文が発動する損切りやブレイク狙いに
OCO注文指値と逆指値をセットで出す利益確定と損切りを同時に

🛠 注文方法の使い分けは「戦略の一部」

たとえば、

  • 成行注文はスピード重視
  • 指値注文は慎重な価格重視
  • 逆指値はリスク管理の要
  • OCOは一度の操作で利益と損失の両方に備えられる

というように、それぞれ特徴があるので、自分の意図に合わせて使い分けることが大切です。


第3章:相場の「型」を知ろう── トレンドとレンジ

チャートを見ていても、「今がどんな相場なのか」がわからないと、注文のタイミングをつかむのが難しくなります。

ここで知っておきたいのが、相場には「型」があるということです。大きく分けて、次の2つです。


📈 トレンド相場(上昇・下降)

価格が一方向に動いている相場です。

  • 上昇トレンド:高値・安値がどんどん上がっていく
  • 下降トレンド:高値・安値が徐々に下がっていく

この場合は、流れに乗って取引をする「順張り」が基本になります。


➖ レンジ相場(横ばい)

価格がある一定の範囲内で行ったり来たりしている相場です。

  • チャートが横ばいに近い形をしている
  • 上限と下限の間で反復する動き

このときは、上下の境界線を意識した「逆張り」戦略が有効です。


第4章:「押し目買い」と「戻り売り」── トレンドに乗る基本戦略

トレンド相場で特に使われるのが、次の2つの戦略です。


✅ 押し目買い(おしめがい)

  • 上昇トレンド中に、いったん下がったタイミングで買う
  • 「また上がる」と判断したときにエントリーする
  • 上昇トレンドの流れを活かした王道の買い戦略

✅ 戻り売り(もどりうり)

  • 下降トレンド中に、いったん上がったタイミングで売る
  • 「また下がる」と判断したときに売る
  • 下降トレンドを活かした堅実な売り戦略

この2つは、どちらもトレンドに沿った「順張り」の考え方で、初心者にとっても取り組みやすい基本戦略です。


🧾 用語解説

  • 押し目買い:上昇トレンド中の一時的な下落を「買い」のチャンスと見る戦略
  • 戻り売り:下降トレンド中の一時的な上昇を「売り」のチャンスと見る戦略
  • 順張り:相場の流れに沿ったエントリー
  • 逆張り:流れに逆らって、反発を狙うエントリー

✅ まとめと次のステップ

  • 先物では、「買い」からも「売り」からも取引を始められる
  • 注文方法はそれぞれに役割があり、場面ごとの使い分けが重要
  • 相場が「トレンド」なのか「レンジ」なのかで、選ぶ戦略が変わる
  • 「押し目買い」や「戻り売り」は、相場の型に合った取引の第一歩

👉 次は、より実践的なチャートの見方とタイミングのとらえ方を学びます。

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