🎯 この級で得られること
- 「買い」と「売り」を、先物ならではの視点で理解できる
- 成行・指値・逆指値など、注文方法の種類と使い方を学べる
- 相場が「トレンド」か「レンジ」かを見分けられるようになる
- 「押し目買い」「戻り売り」といった基本的な取引戦略の意味と使い方を理解できる
第1章|注文とは?──「買い」「売り」と建玉の考え方
日経225先物では、価格が上がると思えば「買い」から、下がると思えば「売り」から取引を始めることができます。
これは、株式投資ではあまり見られない、先物ならではの特徴です。
📈 買いから入る=ロングポジション

価格が上がると予想したときは、「買い」から取引を始めます。
安い時に買って、高くなったら売ることで利益を出す方法です。
- 例)30,000円で買って、32,000円で売れば、2,000円の利益
このように「買い」を持っている状態のことを、ロングポジションと呼びます。
💡「ロング」という言葉は、「長く保有する」「将来上がることを期待して待つ」といった意味合いがあります。
📉 売りから入る=ショートポジション

価格が下がると予想したときは、「売り」から入ることもできます。
高い時に売っておき、安くなったところで買い戻すことで利益が出ます。
- 例)30,000円で売って、28,000円で買い戻せば、2,000円の利益
このように「売り」を持っている状態は、ショートポジションと呼ばれます。
💡「ショート」は、「短期的な取引」「すぐに買い戻すことを前提とした動き」を意味する言葉です。
🧾 建玉(たてぎょく)とは?
注文が成立し、ポジションを保有している状態を「建玉(たてぎょく)」と呼びます。
- 買い建玉(ロング)
- 売り建玉(ショート)
いずれも、まだ決済していない=ポジションを持っている状態のことを指します。
第2章:注文方法とその使い分け

取引を始めるには、どの価格で、どんな条件で注文を出すかを決める必要があります。
これを「注文方法」と呼びます。
主な注文方法には、以下のような種類があります。
注文方法 | 特徴 | こんなときに使う |
---|---|---|
成行注文 | 今の価格で即座に注文を出す | とにかく早く取引したいとき |
指値注文 | 指定した価格になったら注文を出す | 有利な価格まで待ちたいとき |
逆指値注文 | 特定の価格を超えたら注文が発動する | 損切りやブレイク狙いに |
OCO注文 | 指値と逆指値をセットで出す | 利益確定と損切りを同時に |
🛠 注文方法の使い分けは「戦略の一部」
たとえば、
- 成行注文はスピード重視
- 指値注文は慎重な価格重視
- 逆指値はリスク管理の要
- OCOは一度の操作で利益と損失の両方に備えられる
というように、それぞれ特徴があるので、自分の意図に合わせて使い分けることが大切です。
第3章:相場の「型」を知ろう── トレンドとレンジ
チャートを見ていても、「今がどんな相場なのか」がわからないと、注文のタイミングをつかむのが難しくなります。
ここで知っておきたいのが、相場には「型」があるということです。大きく分けて、次の2つです。
📈 トレンド相場(上昇・下降)
価格が一方向に動いている相場です。
- 上昇トレンド:高値・安値がどんどん上がっていく

- 下降トレンド:高値・安値が徐々に下がっていく

この場合は、流れに乗って取引をする「順張り」が基本になります。
➖ レンジ相場(横ばい)

価格がある一定の範囲内で行ったり来たりしている相場です。
- チャートが横ばいに近い形をしている
- 上限と下限の間で反復する動き
このときは、上下の境界線を意識した「逆張り」戦略が有効です。
第4章:「押し目買い」と「戻り売り」── トレンドに乗る基本戦略

トレンド相場で特に使われるのが、次の2つの戦略です。
✅ 押し目買い(おしめがい)
- 上昇トレンド中に、いったん下がったタイミングで買う
- 「また上がる」と判断したときにエントリーする
- 上昇トレンドの流れを活かした王道の買い戦略
✅ 戻り売り(もどりうり)
- 下降トレンド中に、いったん上がったタイミングで売る
- 「また下がる」と判断したときに売る
- 下降トレンドを活かした堅実な売り戦略
この2つは、どちらもトレンドに沿った「順張り」の考え方で、初心者にとっても取り組みやすい基本戦略です。
🧾 用語解説
- 押し目買い:上昇トレンド中の一時的な下落を「買い」のチャンスと見る戦略
- 戻り売り:下降トレンド中の一時的な上昇を「売り」のチャンスと見る戦略
- 順張り:相場の流れに沿ったエントリー
- 逆張り:流れに逆らって、反発を狙うエントリー
✅ まとめと次のステップ
- 先物では、「買い」からも「売り」からも取引を始められる
- 注文方法はそれぞれに役割があり、場面ごとの使い分けが重要
- 相場が「トレンド」なのか「レンジ」なのかで、選ぶ戦略が変わる
- 「押し目買い」や「戻り売り」は、相場の型に合った取引の第一歩
👉 次は、より実践的なチャートの見方とタイミングのとらえ方を学びます。
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